総務課

郷土料理部①冬の保存食、神山のゆず味噌

ゆず味噌.jpg

その土地の食材で、各家庭のおふくろの味

ふろふき大根に、出汁で炊いたこんにゃく。ほかほかと蒸気が立ち上るお料理に、爽やかでやさしい香りと共に添えられるのが、ほっこり温まるおふくろの味、ゆず味噌です。柚子は寒さに強いため、神山町でも古くから植えられていた果樹の一つです。どちらかというと、販売用の栽培というよりは、家庭で食べるために庭や畑の隅に植えてあるのがほとんどといいます。ちなみに、四国は日本の柚子生産量の約8割を占める一大産地でもあります。

この季節になると、どこの家でもゆず味噌を作る話を聞きます。その土地でその季節にとれる作物で、各家庭によってこだわりの味があるのも、郷土料理の特徴。食卓にあがるゆず味噌は、家族の好みに合わせて、じゃこや鰹節がはいっていたり、甘さが控え目だったりします。

 そんな柚子の季節に、毎年の恒例行事として、皆で集まってゆず味噌づくりをしている神山薬草協会さんを訪ねました。神山薬草協会は、その土地でその季節に採れたものを食べるのが健康に良いという「身土不二(しんどふじ)」の考えのように、いま食べているものが身体や健康を作っているという、「食」への意識が高い方が多く、神山で採れる薬草で七草粥をつくったり、薬草茶を作ったり、また初夏には梅エキス作りを行うなどの活動をされています。

柚子をひたすら刻む

まず、コンテナいっぱいに運ばれてきた神山の柚子の果汁を搾ります。果汁は後で一緒に煮詰めるため、別にとっておきます。この作業を始めた途端、部屋中がゆずの香りに満たされました。
DSC_5888.JPGのサムネイル画像

 そして、あとは種とヘタを取り除き、ひたすら皮を刻んでいきます。3~5ミリほどの細さで、という事ですが、お好みに合わせて、食感を楽しみたければ少し太めに切っても良いそうです。ここが、一番手間のかかる作業。柚子を刻みながら、あるお母さんが昔の話をしてくださいました。この時期になると、どこの家も、沢山ゆず味噌を仕込んで、お土産としてお嫁さんの里に持って帰らせたそうです。昔はお嫁に行ったら滅多に実家には帰れなかったとか。なので、ご近所で柚子の香りがしてきたら、「ああ、あの家はもうじき嫁さんが里帰りするんやな」と思うのだという話をしてくださいました。

苦みをとるために茹でこぼす

柑橘の皮には栄養がたっぷり入っていますが、ナリンギンという苦さ成分も含まれています。程よいほろ苦さは美味しいのですが、あまり苦くなりすぎないように、茹でこぼして苦さをやわらげる作業を行います。
 柚子の茹でこぼし作業を行っている傍らで、ごまとちりめんじゃこをそれぞれフライパンで炒ります。香ばしいかおりに包まれて、美味しそう。これは、臭みをとるためだそうです。

DSC_5903.JPG

  さて、柚子がゆであがった後、大量の柚子皮の水気をきるため、二人がかりでさらしで搾っていきます。これはかなりの重労働。そして、絞り終えたあと、ここからさらに豪快な力仕事です。おおきな桶に、すべての材料を入れていくのですが、きちんと材料が混ざり合うように力いっぱいしゃもじを動かします。
DSC_5931.JPG

あとはひたすらトロトロになるまで煮込む

 外では、男性陣がかまどで火をおこして待っていてくれました。大きなお鍋で、材料すべてを混ぜ合わせたものを、煮込んでいきます。薬草協会で配布された資料には、お砂糖を数回に分けて煮ていくそうですが、今回は一度に大量に仕込むというのもあり、一気に仕上げました。
DSC_5933.JPG 煮込んでいる間は、ずっと火の番をします。焦げ付きやすいので、常にまぜておかなければなりません。
 さて、そうこうしているうちにゆず味噌作りはクライマックスへ。味噌は冷めたら少し固まるので、「ちょっとゆるいかな」くらいで止めておくのがコツとのこと。ジャコとゴマが入って、香ばしい食べごたえのあるゆず味噌の完成です。神山の皆さんのおすすめの食べ方は、やっぱり〇〇だとか。寒い冬の神山で冷え切った身体を温めるのには、もってこいのメニューです。

 神山で暮らしていると、柚子をおすそ分けいただくこともしばしば。この季節に、是非、一年分のゆず味噌を仕込んで冬を乗り切りたいと思います。

IMG_20181206_113702.jpg

報告:川野(平成31年1月9日)

総務課への連絡先
TEL:088-676-1111
IP:050-2024-2001
E-mail:soumu@kamiyama.i-tokushima.jp

ピックアップ