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神山はいま

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「この連載で、離れていても神山とつながれるかも」 出身者のいまを伝える、やままち編集部

令和4年 7月21日

スクリーンショット 2022-07-04 23.15.43.png2021年9月号の広報かみやまから「まちの外で生きてます」という連載が始まったのをご存知でしょうか?この連載では、神山町出身者が今町の外でどんなことをしていて、神山に対してどんな思いを持っているのか、町外からのお手紙のようなインタビュー記事が掲載されています。今回は、この企画の主催者である「やままち編集部」の皆さんにお話を聞きました。「やままち編集部」とは、町外にいても故郷である神山に何かできれば、という思いで活動している神山出身の5名からなる編集部。やままち編集部の一員で、下分出身、現在は徳島市内で働いている私、中川麻畝が、メンバーのみんなにインタビューを行った様子をお届けします。

ではまず自己紹介をお願いします。

大家孝文(以下、大家):大家です。下分出身で、第1回の「まちの外で生きてます」のインタビューを受けているので、そちらを読んでくださっていたら嬉しいです。今はアーバンリサーチというブランドのひとつであるアーバンリサーチドアーズでブランド販促やPRの仕事をしています。

大南真理子(以下、大南):大南です。神領小学校に行って、神山中学校に通い、市内の高校へ進んだあと、鹿児島に行ったり、イタリアに行ったり。紆余曲折いろいろあって、今は東京の出版社で働いています。IMG_7772.JPG大南さん(左)と、大家さん(右)

白桃里美(以下、白桃):白桃里美です。兵庫県の宝塚造形芸術大学で広告とグラフィックデザインの勉強を4年間して、徳島に帰ってきました。今は1歳と3歳の息子を子育てしながら、徳島市でグラフィックデザイナーとして働いています。
DSC_18532.jpg笑顔でインタビューに答えてくださる白桃さん。

海老名和(以下、海老名):海老名和です。神領出身で、徳島で保健師をしています。中学校卒業と同時に市内の高校へ通うために市内に出て、そこから県外の大学に行き、大学卒業後に徳島に帰ってきました。
IMG_8892.jpg海老名さん(左)と、中川(右)。海老名さんとは同級生です。

「まちの外で生きてます」の連載が始まる前、みなさんが神山町外にいながら、神山との関わりが深くなったきっかけはなんですか?

海老名:一番最初はバスツアー*ですかね?母親が元々町のイベントとかに結構参加していたので、ちょくちょく町の情報は入いよったんですけど、全容は掴めてなくて。でも、バスツアーに行って、町のいろんな人と顔を合わせて会って知り合いになって。そこからですかね。

大家:僕が会社のコラムニストみたいなのをさせてもらっていた時期があって、つなぐ公社の方がコラムで神山のことも書いていたのを見つけていただいて。初めて神山と仕事できるかもって思って興奮したのを覚えてます。それで、すぐに連絡を取って、神山のイベントをやることになったり、逆に神山を取材させてもらったり。うちのシーズンカタログにそういう読み物のページを、確か8ページくらいのページを作らせてもらったり。で、その関係で役場の方やつなぐ公社の方にはトークイベントにでてもらったりっていうので、顔見知りになっていました。それが2018年ですね。
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アーバンリサーチドアーズで開催されたトークイベントの様子。一番左が大家さん。

「町の外で生きてます」の連載が始まって神山町と深く関わるようになる以前は、地元の神山町のことをどういう風に見ていましたか?

白桃:以前から自分にも神山のためにできることがあるかな?って思ってたけれど、町の外で仕事をしていたので、何が起こっているのかわからないような状況で暮らしてたんですね。大学時代に神山の写真を撮って写真展をしたんですよ。道の駅で。その頃からまちのことを知りたいとか、もっと関わりたいなっていう気持ちはあったわけです。ただ、自分の知っている神山っていうのがずっと昔から更新されてなくて。

大家:僕は、兄と父と母が町内で働いていたので、年1-2回は必ず帰っていたり、徳島の友人が多かったので、その人たちに会いに行ったりっていうので、徳島の方に常に矢印は向けてはいました。自分の友人や兄が第1期の創生戦略の取り組みに関わっているのを見てて、羨ましかったけど、時間を置いていけばいくほど、意識はしていてもどう神山と絡んでいいかわからなくなってきて。新しいお店ができたりっていう目に見えた変化は分かるけど、変化の内容は記事で読んだことしかわからないみたいな感じの立ち位置でした。

大南:私も結構大家さんの感覚に近いかなっていうような感じがしますね。もちろんもともと愛着もあったし、私にとって特別なまちやけど、それは私が生まれ育った町やから、私が愛着があるのは当たり前で。でも神山出身ではない人が興味を持ってるっていうのは、どういう理由で愛着を持ったり、神山のことを好きやって言ってくれるんかがなんとなくわかりそうで分からない。つなプロ報告会がちょっと前に東京であった時も、青山の会場に徳島以外の人がめっちゃ来とって、どういう現象かなと思って(笑)。神山に関わりたいとか、今まで関わったことがあるとか、今から関わっていきたいって思っとる人がおるっていうのは、ずっと不思議な感じがします。
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広報かみやま7月号の「まちの外で生きてます」の実際の記事。

では、どういう思いがあってやままち編集部に参加しようと思いましたか?

海老名:やっぱり、町外に住んでる人たち、町外で頑張っている人たちを神山に住む人たちにも知ってもらいたいっていうところになってくるかな。特に子どもたちは、町外にいる出身者の話を聞く機会があまりないと思ったので、私たちの活動を通して、町出身の面白い人たちの話を読んでもらえるようにしたいなっていう気持ちがありました。実際に活動を進める中で、その思いはどんどん強くなってますね。

2021年の9月から連載が始まり、広報かみやま7月号では6人目のインタビューが公開されましたよね。実際に連載が始まって、今どうですか?

大家:まずは、記事を作っていくのが結構大変やなっていうのがあって(笑)。でも、シンプルに人の人生を聞けるっていうのはすごい面白い。あとは、中学生時代にだいたいいろんな人の道筋が決まっているんだなっていうのを感じます。立志式ってそう考えると価値があるなとかおもったり。今日も次の号のインタビューを行いましたが、シンプルに楽しいです。あと、麻畝ちゃんとか和ちゃんみたいな若い世代の子と一緒にやれるっていうのもなかなかできないことだし、楽しいなっていうのが一番ですね。

白桃:同級生からの反応が多いですね。誰かインタビューできる人おらん?って声かけてるのもあって、皆、こんな人もおるんやなって毎回楽しみにしてくれてるみたいです。
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連載で知り合った写真家の松久保さん(第3回)に、撮影をお願いし、その後も関係が続いている白桃さん。

海老名:大家さん、大南さん、白桃さんら3人とはちょっと年齢が離れてるんですけど、全員が全員の意見を尊重してくれるって感じがあって。ちょっと年上の3人やけど、私たちの意見も新しい発想として面白がってくれて、どんどんやってみよって言ってくれたり。年齢で分断せずにいつもミーティングでは気持ちを盛り上げてくれますし。最初はめっちゃ緊張してたけど、最近は慣れてきました。編集社やアパレル会社で働いている方、デザインの仕事をしている方など、全員普段関わりがない方々なんで、めっちゃ面白いです。

では最後に、やままち編集部の今後について、どういう思いがあるか教えてください。

大家:まず、しばらくはこのメンバーで続けていきたいなって思ってるんですけど、同じ形で同じようなペースでやるのはいつか限界がくるなっていうのは見えているので、このメンバー固定の編集部っていうよりはコミュニティーとしてもっと柔軟に人の入れ替わりなどがありながらこの企画自体を続けることを目指してます。徐々にメンバーが増えたり変わったりっていうのをやりながら長く続けていければなと思っています。

大南:私も、誰がするにしても企画自体は長く続けていきたいなと思ってて。私は基本的に原稿を書く係なんですけど、連載やこの取組みを長く続けていくためには、いろんな小細工とか、変な仕込みとかをせずに続けていくのも大事なことなんかなっていうふうに思っています。
あとは、いつかインタビューした記事をまとめて本にしたいなって思います(笑)。神山町民図鑑みたいなのを作って、同窓会の時とかにみんなでそれ読んでネタにするみたいなのをぜひしてもらいたい。町から配ってもらうみたいな。(笑)。最終的にそれくらい続けていくためのモチベーションでやれたらいいかなと思います。
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やままち編集部の普段のミーティングの様子。徳島・大阪・東京と離れているので基本的にオンラインで行っています。

突然広報かみやまで始まった「まちの外で生きてます」という連載。今回は連載を企画しているメンバーがどんな思いを持って参加しているのかお届けしました。これまですでに6人の方にインタビューを行いましたが、お互い初対面でも、ふるさとが同じというだけでみなさんとても距離感近くお話してくださいます。そして、みんな離れていてもふるさと神山が好きなんだなということを毎回感じています。今は町外にいても、心の中にはいつも「山」がある。やままち編集部はこれからも出身者からふるさとのみなさんへのお手紙をお届けしていきます。

*1 町民町内バスツアーのこと。新しくできたお店や会社をバスで回り、実際に働いている人から話を聞くことで、まちの今を知ることができるツアー。

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