総務課

すだちでつなぐ、すだちでつながるvol.2    ~神山黄金すだちの旅~

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すだちポン酢で冬支度
冬のはじめ。神山のすだちはより大きく、黄色く色づいてきます。果汁はよりまろやかに。神山の家庭では、この時期のすだちを使ってポン酢を作ります。このポン酢でお鍋を食べると、おいしくあったまる、里山の冬には欠かせないアイテム。そんな神山の冬支度をこの度、一足早く冬がやってきている岩手の皆さんとご一緒するご縁がありました。

岩手と徳島、八幡平と神山
岩手県の山間にある八幡平(はちまんたい)市で、地域おこし協力隊として活動されていた松本さんご夫妻。二人は2年前、四国の「地域づくり」の視察にやってきました。当時、まだ神山で活動を始めたばかりの私たちは、松本さんたちの自然と寄り添った暮らしや、「人が集って、自分らしさを取り戻すような場を作りたい」という話にも興味津々。ちょうど季節は、すだちの旬の9月。東北にはあまり流通していないというすだちを気に入ってもらい、「いつかすだちの魅力を東北まで伝えたい」という想いも芽生えました。

その後、私たちの地域おこし協力隊としての地域の魅力を掘り起こし、内と外をつなぐ活動は続き…、今年は3年間の任期の最終年。一方、松本さんたちが地域おこし協力隊の卒業と同時に昨年開業されたピネムの森というゲストハウスは、“人と自然がつながるオアシスのような場所”として評判を呼び、小さいながらも年間500人もの方々が口コミで訪れる場所になっていました。しかも、やって来るゲストと共に場を成長させているというのです。二人はどうやって場を作っているのか?私たちも参加してヒントをつかみたい。そして東北にすだちの魅力を伝えたい!そのために、今度は私たちが出かける番です。

ピネムの森で感じる、自然への感謝
やってきた八幡平は、うっすら雪の積もった岩手山と紅葉した広葉樹の木々が美しい里山でした。雪で閉ざされる期間の長い東北ですが、マタギの狩猟文化が根付いているという話にも納得。「ピネムの森」は、まさにそんな森の中にあって、松本さん夫妻はここで自然に寄り添った暮らしを実践されています。

あっくんの説明.JPG

ピネムの森にある、クレソンを使った浄化システム(バイオジオフィルター)や、コンポストトイレ、薪ストーブや五右衛門風呂、土のう袋を壁にしたアースバック建築などは、ご主人・松本篤英さん(通称あっくん)が、作る過程をゲストと共有しながら、セルフビルドで作業されたものばかり。そこに女将の明子さん(通称チャオさん)の感性が溢れるアートが加わり、まさに世界にここにしかない「本来の自分に戻る場所」でした。

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また私たちは滞在中、チャオさんお手製の山ぶどうのジュースや、熊笹のお茶、ムカゴご飯といった、ピネムの森の恵みを使ったお料理をお腹いっぱいいただきました。「いただきます」「ごちそうさま」と口にしながら、「自然の恵みがありがたい」「幸せだな」という気持ちが沸き上がってきます。

ピネムの晩ごはん.jpg ピネムの台所.jpg

ちなみに「ピネムの森」のピネムとは、英語のPINE(パイン)=松と、アイヌ語で泉を意味するMEM(メム)を掛け合わせた造語なのだとか。言葉のとおり、ピネムの庭の真ん中には大きな松の木がそびえ、その根元から泉が湧き出していました。

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そんな自然への感謝が、里山の暮らしの原点にあることを感じながら、ピネムの泉でワークショップで使うすだちや柿を洗いました。

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すだちと林檎の饗宴!
私たちはピネムの森の協力で、すだちポン酢を作るワークショップを実施しました。お客さまは、八幡平に住まう皆さま。二人の計らいで、皆さんと交流する「はじめまして」の持ち寄りランチから会は始まりました。テーブルには、地元の食材がたっぷりのサラダやお汁に、サモサやコロッケなどが並びます。私たちは、神山のお母さんから教わった「柿の白和え」を作ってみました。デザートは林檎ケーキと南瓜のプリン!手作りの南部煎餅もいただきました。

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「ごちそうさま」の後はいよいよ、すだちワークショップの始まりです。今回は、徳島と岩手のコラボレーションということで、林檎も入った「すだち林檎ポン酢」を作ります。

岩手ではとても高級であるというすだち。すだちの搾り方のコツや、美味しくするコツをお伝えすると、「へえーっ!」という歓声の嵐。搾り方のコツは、苦みがでないように軽く搾ることと、搾るときに切り口を上に向けて、果汁が皮を伝うようにすること。そうすることでより爽やかな香りが広がります。

 林檎切る.JPGのサムネイル画像ポン酢作り(モジャ).JPGのサムネイル画像

またポン酢は、他の柑橘も少し混ぜるとより美味しくなります。今回は神山から運んだ「ゆこう」というすだちより一回り大きく、まろやかな果汁の柑橘も使いました。

そこに岩手の林檎をすりおろして、煮切ったみりんと、昆布と鰹節を入れてできあがり。ポン酢は何日か寝かすとより美味しくなります。鍋文化が根付く東北で、「すだち林檎ポン酢」は広がるでしょうか!?ポン酢はそれぞれのご家庭に持ち帰られました。

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実は、今回皆さんが持ち帰ったのはポン酢だけではありません。すだちを搾った後の皮や種も!ポン酢を作りながら話題になった、種を焼酎に浸すと手作り化粧水ができるという話や、皮も乾かすと入浴剤になるといった活用法にも興味をもっていただき、「作ったよ!」という感想がその夜には寄せられました。岩手の皆さんのすだちへの情熱に、すだちの持つ可能性を教えられたようでした。

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チャオさんが仕込まれたのは、黄金すだちのピール!

また、岩手の白ワインとすだち果汁をベースに、柿や林檎、大根が入ったピクルスも作りました。(ピクルスは、しろくまジャムの武馬さんに教えていただいたレシピ。詳しくは「すだちでつなぐ、すだちでつながるvol.1の記事をご覧ください。)岩手と徳島のコラボレーションピクルスは、スライスしたすだちがアクセント。協力隊が開発中の「すだちジャム」も試食してもらい、東北の女性目線で、すだちの加工品への感想やアドバイスというお土産もどっさりいただいたのでした。

みんなでピクルス.JPG

<すだちポン酢とピクルスの作り方はこちら>↓
黄金すだちワークショップ.pdf

神山“黄金”すだちのストーリー
今回私たちが使ったすだちは、旬の時期のすだちとは違う、“黄色くて大きいすだち”です。「え、これもすだちなの!?」と思わず驚いてしまうこのすだちは、市場には出回っていません。

実は、冬にお店で見かける緑のすだちは「冷蔵すだち」なのです。神山のすだち農業は、旬の時期に収穫したすだちを冷蔵保管して、冬場にも出荷することで発展してきました。なので、黄色いすだちは穫り忘れだったり、耕作放棄されたほったらかしのすだちだったりするのです。

黄金すだちアップ.jpgのサムネイル画像 黄金すだちの木.jpgのサムネイル画像

このすだちを使わないなんで、もったいない!と神山にやってきた歴代の地域おこし協力隊は、ちょっと肩身が狭い黄色いすだちを“黄金すだち”と名付けて、PRをする活動をしてきました。協力隊の卒業生が活躍するNPO法人里山みらいでは、黄金すだちも販売しています。(店舗向け/販売期間は年内いっぱいくらいまで。詳しくはこちら)

自然の恵みに感謝し、活かしながら人と人をつなぐ。そんな活動をとおして、里山の自然や暮らしを守り、次の世代につないでいきたい。その想いは、場所や人、アプローチの方法は変わっても、全国の地域おこし協力隊が共通して抱いてことかもしれません。

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日常へ、卒業へ
さて、岩手から戻り、神山での暮らしに戻った私たち。外から神山を見ることをとおして、神山の魅力(=すだちの可能性)を再発見したり、自然との関わり方や、卒業後の活動へのヒントもつかむことができました。

地域おこし協力隊としての活動も、残すところあと半年を切りました。「里山の暮らしを継ぐ」ための部活動(お茶・薬草部、うめ・すだち部、里山あそび部、暮らしの技部、郷土料理部)を続けながら、それぞれの卒業後の目標に向かって、丸いすだちのようにコロコロと転がっていきたいと思います。

報告:織田(平成30年11月27日)
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