神山町 kamiyama-cho

総務課

令和4年 10月 7日

神山町の子育て世代向け町営住宅「大埜地の集合住宅」が 「2022年度グッドデザイン賞」・「グッドデザインベスト100」を受賞しました

神山町役場は、神山町のあす環境デザイン共同企業体(設計監理)および一般社団法人神山つなぐ公社(企画協働開発)とともに「神山町・大埜地の集合住宅」をエントリー、「2022年度グッドデザイン賞」・「グッドデザインベスト100」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。

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●受賞概要
子育て世代向けの町営住宅[神山町・大埜地の集合住宅]徳島県神山町が子育て世代を主対象として整備した集合住宅。中学校寄宿舎跡地を再開発し、賃貸住宅20戸を軸に、町民も利用できるコモンハウスや原っぱも整備。まちにある資源と職人たちの力を活かしてつくるため、4年にわたる段階的な工事プロセスを調整・実施。人が暮らし、手を入れることで、良い状態で長く住み継がれてゆくことを目指す。

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●背景
神山町は四国の山あいにある小さなまちで、人口は減少傾向にあるが、アートを通じた23年にわたる国内外の交流、サテライトオフィスや転入者の増加、私立高専の開校(2023年春)など複数の動きがある。2015年に策定された地方版総合戦略では「可能性が感じられる状況の創出」を指向。賃貸市場のない中山間地では、公共による住宅整備が大きな影響力を持つ。が、単に住宅を建てて住民の数を増やすだけでなく、その開発プロジェクトを通じて、町役場も、地域の工務店や建設会社も、学校も、住民も以前より劇的に出来ることが増えて、関係性も格段に豊かになること。多くのまちの大人がかかわれること。その大人たちが夢中になって取り組んでいて、彼らの姿が若い世代からよく見え、場合によっては子どもたちも公共工事に参加出来ること。そのようなプロジェクトを実現する地域公社を町役場の傍らにつくり、可能にするデザインを設計者に依頼した。

●経緯とその成果
「大埜地の集合住宅」はランドスケープデザインを重視し、田瀬理夫に設計を依頼。田瀬は流域性種苗での植栽計画を、高校生等と実施。住人の緑地管理も指導し、高校・住民・役場による長期的な管理運用につなげた(「はじまりをつくる」)。加えて既存RC建造物の全解体ガラの再利用も先導。建築設計は山田貴宏に依頼。地場産材の家づくりの経験値は、地域の大工職の技術継承や生業継続に寄与。町内初の公共の環境建築や、地域熱供給システムも形になった(「そこにあるものでつくる」)。町役場は工期を4期にわけることで小規模な町内工務店の参入を可能にし、数億円分の地域内経済循環を実現。かかわりしろも増え、より多くの住民が開発過程に参加。公共工事を、まちの公共性を育む機会としてひらくことが出来た。プロジェクトで得られた個々の経験や関係性は、新しい住宅建設や施策検討に活かされている(「公共工事を〝まちのプロジェクト〟にする」)。

●グッドデザイン賞 審査委員による評価コメント
本プロジェクトは、徳島県神山町での子育て環境の改善を目的とした町営住宅である。 住宅プロジェクトでありながら、庭の在り方からデザインが始まる。地域の自然植生に合った植物の選定、その苗を地元高校生と育てていくプロセスなど、一つひとつを人の手によってつくりあげていくことが徹底されている。 町営住宅のデザインは、奇をてらわず、しかし丁寧な木造の建築のつくりになっている。一階は地域に開いた土間状の空間であり、二階は家族のための空間。ライフスタイルの変化にも揺るがず、100年使えるような普遍的な考え方で設計されている。敷地内には鮎喰川コモンという、子育て支援、居場所づくりの拠点がつくられる。入居者だけでなく町に関わる多様な主体が活動できるようにすることで、交流の拠点ともなる。単に入居者のための家をつくるという発想ではなく、庭をつくることや川のコモンズに関わることを通じて、入居者は神山の暮らしの歴史や重層性を自然に理解する。また庭の管理運用に住民が関わるというルールは、神山のコミュニティに自然に参加するきっかけのデザインにもなっている。神山のまちづくりの新しいフェイズを感じさせる素晴らしいプロジェクトである。

大埜地の集合住宅 Webサイト https://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/top.html
グッドデザイン賞 受賞プロジェクト紹介ページ https://www.g-mark.org/award/describe/54067

●グッドデザイン賞とは
1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組み。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加。これまでの受賞件数50,000件以上にのぼり、受賞のシンボルである「Gマーク」はよいデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれている。https://www.g-mark.org

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●GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のご案内
グッドデザイン・ベスト100を中心に全受賞対象を紹介する「GOOD DESIGN EXHIBITION 2022」にて、「大埜地の集合住宅」も紹介されます。お近くの方はぜひ足をお運びください。

会期 10月7日(金)~11月6日(日) 11:00-19:00 *初日のみ16:00開場
会場 東京ミッドタウン・デザインハブ (東京都港区)
内容 グッドデザイン・ベスト100展示、全受賞作品紹介
入場無料

<取材のお申込について>
取材を希望される方は、以下のオンラインフォームからお申し込みください。
大埜地の集合住宅の建物・敷地の詳細や利用の様子がわかる画像などの貸出も可能です。 https://forms.gle/bNbYnn9jJkJZX3M7A 

<見学を希望される方へのお願い>
大埜地の集合住宅は、日々の暮らしの場です。入居者や利用者に不安を感じさせかねない行為(大人数での見学や写真撮影、入居者エリアへの立ち入り等)はご遠慮ください。
また詳しい話を聞きたい方は、神山の視察案内についてのホームページから「創生戦略レクチャー」もしくは「大埜地の集合住宅レクチャー&見学」(第3金曜午後のみ)をお申し込みください。
https://www.in-kamiyama.jp/shisatsu/

<発信元> 神山町役場・総務課 〒771-3395 徳島県名西郡神山町神領字本野間100
TEL:088-676-1111  FAX:088-676-1100 E-mail:co-housing@kamiyama.i-tokushima.jp



総務課への連絡先
TEL:088-676-1111
E-mail:soumu@kamiyama.i-tokushima.jp

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