公開日 2026年07月31日
更新日 2026年07月31日
まちづくりを考える基礎となる「人口」のデータを公表します。
人口は、単に「何人住んでいるか」を表す数字ではありません。子どもの数や高齢化の状況、人の出入りなど、詳しく見ることでまちの今の姿や変化が見えてきます。
今の状況を知り、これからどんなまちを目指していくのか。
この人口データがまちづくりを一緒に考えるきっかけになれば幸いです。
人口推移と人口動態(直近5年間)
| 年度 | 人口 | 自然動態 | 社会動態 | その他 | 合計 | ||||
| 出生 | 死亡 | 小計 | 転入 | 転出 | 小計 | ||||
| 令和3年度 (2021) |
4933 | 11 | 143 | -132 | 116 | 145 | -29 | -3 | -164 |
| 令和4年度 (2022) |
4815 | 18 | 152 | -134 | 163 | 151 | 12 | 4 | -118 |
| 令和5年度 (2023) |
4735 | 10 | 143 | -133 | 178 | 125 | 53 | 0 | -80 |
| 令和6年度 (2024) |
4594 | 12 | 143 | -131 | 142 | 151 | -9 | -1 | -141 |
| 令和7年度 (2025) |
4529 | 9 | 116 | -107 | 169 | 128 | 41 | 1 | -65 |
はじめに
神山町の人口は、2026年4月1日時点で4,529人です。
神山町が誕生した1955年には20,916人が暮らしていましたが、その後は減少が続き、現在は当時のおよそ5分の1となっています。
「人口減少」という言葉は、よく耳にすると思います。
ただ、一口に人口減少と言っても、詳しく見てみるといろいろなことが見えてきます。
「減っているのはどんな人?」
「人口は、将来的にどうなるの?」
「若い人が移り住んでると聞くけど、実際どうなの?」
神山町の人口は減っていますが、よく見ると決して悲観的なことばかりではない変化も見えてきます。
この記事では、人口のデータを基に、神山町の現状とこれからの姿をご紹介します。
神山町が目指す人口の姿
神山町の将来人口の推計は、2015年の人口(5,927人)を基準に国が公表している数字を用いて試算してみると、2060年には1,379人まで減少すると見込まれます。
子どもの数で見ると、現在一学年あたりの同級生の数が23人から4人になってしまうという推計です。
そこで、神山町では、2060年に3,000人を下回らない規模で人口を均衡させ、子どもの数も1学年あたり20人を維持することを目標にしています。
人口減少そのものは止められないにしても、減少のスピードを緩やかにし、将来にわたって地域の暮らしを持続できる人口規模を目指しています。
人口が増減する理由
人口が増えたり減ったりする要因は、大きく2つあります。
1つは、転入と転出による人の出入りです。これを「社会動態」といいます。
もう1つは、生まれてくる人と亡くなる人の差です。これを「自然動態」といいます。
人口の変化を見るときは、この2つを合わせて考えることが大切です。
神山町では2021年度から2025年度までの5年間、「毎年、転入者が転出者を11人上回る(社会動態+11人)」という目標を掲げてきました。
この5年間で見えてきた変化
直近5年間の結果を見ると、5年のうち3年間で社会動態がプラス(転入超過)となり、5年平均では、プラス14人となり
ました。2021~2025年度の推移は、下の表のとおりです。
神山町が誕生した1955年以降でも、社会動態がプラスになったのは6度しかないことを考えると、大きな成果といえます。
一方で、全体の人口推移は目標どおりにはいきませんでした。
その理由は、転入者が増えても、それ以上に亡くなる方が多かったためです。たとえば、2025年度は、転入者が転出者を上回ったものの、死亡数が出生数を大きく上回り、人口は前年より65人減少しました。
この5年間を振り返ると、
・人の流れ(社会動態)は改善した
・一方で、自然減は想定以上に進んだ
ということが分かります。
その結果、2025年度末の人口は、国の推計値こそ上回ったものの、町の目標値を下回る結果となりました。
転入の主な要因
2025年度は、転入者が転出者を上回り、社会動態はプラスとなりました。では、どのような人たちが神山町に移り住んできたのでしょうか。
一人ひとりに転入理由を調査しているわけではありませんが、聞き取りなどから分かっている主な要因で紹介します。
最も大きな要因は、神山まるごと高専の影響です。新たな学生やスタッフの方の転入が、人口を押し上げています。
また、神山町移住交流支援センターを通じた転入も、毎年一定数あります。
センターを通じた転入者(住民票の異動がない人も含む)は、前年の16人から32人へと増加しました。
そのほかにも、
・町内事業所で働く外国人材
・大埜地の集合住宅への入居者
・城西高校神山校の学生寮「あゆハウス」への入寮
などが、転入につながったと考えられます。
一方で、転出理由については調査ができていませんが、2025年度は、転出数128人であり5年平均148人と比べても少ない数でした。
神山町では、22歳から25歳で転出超過となる傾向があり、これは、就職などをきっかけに町外へ出る人が多いと考えられます。2025年度も同じような傾向が見てとれました。
人口の「中身」を見る
ここまでは人口の「数」を見てきました。
次は、「どのような年代の人が暮らしているのか」という人口構成を見てみます。
2026年4月1日時点の人口4,529人を年齢で分けると、
・年少人口:0~14歳
・生産年齢人口:15~64歳
・老齢人口:65歳以上
に分けることができます。
人口を年齢で区分けする際によく使われる区分です。
神山町は、65歳以上の人口が最も多く、高齢化率は52.06%となっており、日本全国の29.4%(2025年9月時点)を大きく上回っています。
一方、年少人口は292人です。
これは、町内の1学年辺りの同級生が約19人いる計算になります。
まちの人口が減ると、子どもの数も同じように減り続けているように思われるかもしれません。
しかし、全体人口に占める年少人口の割合は、10年前(2016年4月1日時点)の5.40%から6.45%に上昇(改善)しています。
町全体の人口は、この10年間で1,000人以上減少しましたが、子どもの数は大きく減らず、おおむね横ばいで推移しています。
将来に向けて人口減少を緩やかにし、「3,000人を下回らずに均衡する」という目標を達成するためには、単なる「数」だけでなく、こうした年齢構成など「中身」のバランスを整えていくことが重要になります。
子どもの数
次は、子どもの数に注目してみます。
これまでの変化を見てみると、2010年には413人だった年少人口は、2026年には292人となり、121人減少しています。
1学年あたりにすると、およそ28人から19人へと減少しています。
しかし、その推移を見てみると、2020年頃を境に大きな減少は落ち着き、近年はおおむね横ばいで推移しています。
また、この間(2010年~2026年)に町全体の人口は約2,000人減少しましたが、年少人口の割合は、6.26%から6.45%へとわずかですが上昇しています。
参考に、2010年の人口は6,465人、2026年は4,529人です。
人口減少が続く中でも、子どもの数や割合は比較的維持されていると言えます。
出生数は減少傾向に
一方で、出生数を見ると、近年は厳しい状況も見えてきます。
出生数は年によって増減がありますが、一定期間の平均で見ると、
・2010~2015年度 19.5人
・2015~2020年度 19.2人
・2020~2025年度 13.8人
となっており、直近5年間で大きく減少しています。
子どもの割合は維持されている一方で、新たに生まれる子どもの数は減少しています。
合計特殊出生率(ベイズ推定値)は、2003~2022年を通じて緩やかな上昇傾向にあり、徳島県とほぼ同水準で、全国平均をやや上回って推移しています。一方で、人口を長期的に維持するための目安とされる出生率(約2.07)には達していません。
年齢別の増減率
最後に、年齢ごとの人口の増減を見てみます。
このグラフは、神山町の年齢ごとに人口がどれだけ増えたか、減ったかを表したものです。
青の線は地方創生が始まる前(2006~2015)、緑の線は直近10年間(2016~2025年)の平均増減率を示しています。
縦軸は増減率、横軸は年齢です。黒い横線は増減率0%を示しています。
まず、見えてくるのは、小学校入学前の子どもの転出が改善していることです。
また、16歳では、城西高校神山校の寮「あゆハウス」や神山まるごと高専の影響もあり、転入超過へと大きく変化しています。
一方で、高校卒業後から30歳までは、今も転出超過が続いています。
進学や就職など、人生の節目で町外へ出る傾向は、10年前も現在も大きく変わっていません。
若い世代が働き、暮らし続けられる環境をどうつくっていくかは、これからの神山町にとって大きな課題の一つといえます。
まとめ
ここまで、神山町の人口についていくつかのデータを見てきました。
人口は今も減少が続いていますが、その中身を見ると、総数だけでは分からない変化も見えてきます。
近年は転入者が転出者を上回る年が増え、神山まるごと高専の取り組みや移住促進の取り組みなどにより、新しい人の流れが生まれています。また、これに伴い、子どもの割合にも改善が見られていることは神山町の将来にとって大きな希望です。
一方で、神山まるごと高専の卒業生が発生する2027年度以降は、これまでのような「大きな転入超過」は落ち着くことが予想されるため、違った要因で新たな人の流れをつくっていくことを考えなくてはなりません。
また、出生数の減少や高齢化による自然減への対策、そして、進学や就職を迎える若い世代の「転出超過」への対応に取り組むことで、今後の人口の推移に変化をつくれるかもしれません。
神山町では「まちに人がいる」ことが何より大切だと考えています。
人口の変化を丁寧に見つめながら、子どもから高齢者まで、それぞれの世代が安心して暮らし続けられるまちを目指し、一つひとつ取り組みを進めていきます。