神山町 kamiyama-cho

神山はいま

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町外からやってきた女性の、サテライトオフィスでの仕事と子育てのこと
「もっとお嫁さんが増えたらいいのに」

平成28年10月17日

徳島県鳴門市出身の湊 由志美さん。結婚を機に神山町へ来て、子どもを出産し、サテライトオフィスの代表格である『株式会社えんがわ』で働かれています。縁もゆかりもなかった土地にやってきた湊さんですが、今は、自身にとって、とても良い環境だといいます。仕事や子育てのこと、そして、これから町にどうなって欲しいかなど、お話を伺いました。

神山に、そのまま居座っちゃった(笑)

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湊さん(以下 湊) 湊 由志美、29歳です。
出身は、鳴門市の瀬戸町っていう所でして、鳴門の高校、県内の大学と行って。
ほんで、ずっと徳島県に住んでいます。

結婚していて、4歳の子どもがひとりいます。男の子です。
最近は、每日すごい可愛くて(笑)。
広野保育所に通ってます。

旦那さんが元々、神山の人で、
今は、お義父さんお義母さんと二世帯で一緒に住んでいます。
ふたりともすごく良い方で。

旦那さんとお付き合いし始めたすぐくらいから、神山には結構遊びに来てて。
で、そのまま居座っちゃった、みたいな(笑)。
私の実家までは、1時間半くらいかかるんで結構遠いんです。
だから、遊びに来たら、「帰りたくない」とか言って、よく泊まってました(笑)。

そのまま居座っちゃったのは、なんだったんですかね。
帰るのがめんどくさかったのと、やっぱり居心地が良かったんですね。

当時、大学院生だったので、鳴門でバイトしてたんですよ。
だから、神山から鳴門までバイトしに行く感じ。
帰りは旦那さんが車で迎えに来てくれてたんですけど、
片道はバスで行くから、バイト代が交通費で飛んでいってました(笑)。

ー最初に、神山に来た時の印象は?

湊 すごい〝山〟だなって思いました(笑)。
でも、それまで神山森林公園(神山の入り口)くらいまでしか来たことがなかったんですよね。
まさか奥の方にこんな町があるなんて、みたいな。
来る度に車酔いしてましたからね(笑)。

実際に住んでみるとすごく良い所でしたね。
街までも30分くらいで行けますし、欲しいものはネットで頼めば翌日来ますし。
あと、私の実家の方も田舎なんですけど、そんなに自然を感じる場所ではなくて。
神山は、春は桜だったり、梅雨時期はあじさいだったりと、
すごい四季を感じられる場所だなって。

働いてなかったら、こうはなってない

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仕事風景を撮影。湊さんの席は、隅田社長の隣。

湊 神山に住みはじめて最初は、中学校の用務員さんをしてたんですよ。
で、1年経って、妊娠したので辞めました。
それで、子どもが1歳になったら働きに行こうと思ってたんです。

石井町くらいまで行かないと、仕事はないかなあと思ってたんですけど、
ちょうど、それくらいの時期に「えんがわ」ができて、求人募集をしてたんですよね。
それに応募して、採用してもらって、今も働いてます。
ずっと契約社員だったんですけど、今年の8月から正社員になりました。

元々、大学では映像系のことを学んでて。
だから、そういう仕事をしたいなあとは思ってたんですけど、
ちょっと諦めていたんですね。

映像系の会社って、夜が遅かったりで、なかなか帰れないイメージじゃないですか。
子どもがいたら、とてもじゃないけど働けないな、と思っていて。
けど、今の職場はそこにも配慮してくれていて、働く時間を選ぶことができたり、
子どもが調子悪くなったりして、保育所に迎えに行かなあかん時でも、快く送り出してくれます。

えんがわは、東京にあるプラットイーズっていう会社のサテライトオフィスなんですけど、
東京の本社でも産休や育休を取ってる方が、結構いらっしゃって。
そういった所はすごくありがたいですね。

ー仕事自体はどうですか?

湊 楽しいですね。
えんがわは、ジョブローテーションで仕事をまわしているんですよ。
やけん、色んなスキルが身についていってると思います。

あとは、ここにいたら日常的に多くの方が視察に来られるので、そこも刺激があります。
色々な働き方をしている人を見ることができますし、有名な方も来られるので。

えんがわの社長は、隅田さんという方なんですが、
隅田さんは、「自分の好きなことをやっていったらいいよ」ってよく言うんです。
それを聞いてると、「私も好きに生きよう」っていう考えに段々なってきて。
子育てもしてるし、働いてるけど、自分の好きなことをしようと思って。

私は、写真を撮ったり、アクセサリーを作って売りたいなあっていう思いがあって、
「最近、こういうことをやってるんです」って隅田さんに言ったら、
「おう、どんどんやれ。何でもいいから自分の思ってることをどんどん発信していけよ」みたいな(笑)。

そういうことをするのって、前は苦手でした。
写真もアクセサリーも色々考えてることはあるんだけど、全然形にはできてなくて。

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会社の広報物のデザインを手がけられることも。

ー働きはじめてから、変化していった。

湊 そうですね。働いてなかったら、こうはなってないと思います。
えんがわの働き方もそうで、言われたことをマニュアルどおりにやるんじゃなくて、
「自分で考えて、自分の思うように仕事も進めればいいよ」っていう感じなんですよ。
最初はね、なかなかそういう働き方も理解できなかったんですけど、
実際やってみたら、段々とそのとおりだなって思うようになってきました。

ーどういうところで?

湊 以前、撮影から編集までする業務があったんですよね。
で、人から言われるままにやってたら、自分の思ってたものと違うものができてしまって。
人に言われてやったら駄目だな、自分で考えてやらないと良いものは作れないなって実感しました。

そういうことを、その都度言ってくれる。それに、だいぶ影響されてると思います。
田舎にいながら、都会な仕事をしつつ、スキルもアップしつつ、人脈も広がる感じ。
今は、自分にとっては良い環境です。

色んな世界を見てまわってから、神山に帰ってきて欲しい

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ーえんがわオフィスで働いていると、町の変化もよく分かるでしょうね。

湊 私は、町が良い方向に進んでるんじゃないかなと思います。
今後、どうなって欲しいかというと、もっとお嫁さんが増えたらいいのにって思うんですよ。
えんがわでも未婚者が多いんですけど、
皆、結婚して、神山に住んでくれたらいいのになって(笑)。

子どもを育てるのにも、神山は良い場所だと思います。
神山の子って道で会っても挨拶してくれるじゃないですか。
純粋に育っているというか。

だから、自分の子どもにも、自然の中でのびのびと小中学校までは育ってもらって、
高校、大学は自分の行きたい所にどこでも行って、
その後、色んな世界を見てまわってから、神山に帰ってきて欲しいなって。

私たちもいつかは、神山に家を建てたいなあと思ってるんです。
将来そこに子どもが帰ってきて、住んでくれたらすごい嬉しいですね。
嫌って言われるかもしれないですけど(笑)。
その為には、子どもの時にどれだけ神山に思い入れがあるように、育てられるかだと思ってます。

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